「ウイスキーは10年、12年と熟成が長いものほど美味しい」――もしそんな風に思っている方がいたら、このボトルはその常識を心地よく引っくり返してくれるかもしれません。
今回ご紹介するのは、今日本のクラフトウイスキー界で熱い視線を集める「御岳蒸留所」から、非常に贅沢なプライベートボトル(PB)としてリリースされた**『粋撰 御岳4年 パフォールPB』**です。
ウイスキーを飲み始めたばかりの方には「ジャパニーズウイスキーの現在進行形の凄さ」を、そして毎晩グラスを傾けるウイスキー飲みの方には「シングルカスク・シェリーの底力」を存分に感じてもらえる、文句なしの1本。
4年という若さでありながら、驚くほどの深みを見せるそのポテンシャルを、じっくりと紐解いていきます。
芋焼酎の名手が挑む、本格派ウイスキー
御岳蒸留所を運営するのは、あの本格芋焼酎「富乃宝山」で知られる鹿児島県の西酒造。2019年からウイスキー造りを開始した彼らが目指したのは、自社で培った発酵技術を活かした、リッチでフルーティーなニューメイク(原酒)でした。
「シングルカスク・ストレングス」の贅沢
今回のボトルは、一つの樽の原酒のみを厳選してボトリングした「シングルカスク」。さらに、樽出しの度数そのままに加水をしない「カスクストレングス」仕様です。
構成原酒は贅沢なシェリー樽。御岳のクリアで力強いニューメイクが、厳選されたシェリー樽と出会い、わずか4年でどこまで化けたのか――。その答えは、テイスティングにすべて表れていました。
種別: シングルカスクストレングス
構成原酒: シェリーカスク
香り(評価:★★★★★★)
非常に綺麗な香り立ち。まず鼻腔をくすぐるのは、濃度の濃いメープルシロップの贅沢な甘やかさ。そこにほんの少しの硫黄、わずかな黒糖、そしてマロングラッセのような上品で香ばしいスイーツのニュアンスが重なります。
味わい(評価:★★★★★★〜★)
口に含むと、香りの期待を裏切らないメープルシロップと少しの黒糖のコク。そして、ここからが本領発揮です。シェリー樽由来の非常に深い余韻が長く続き、再び黒糖、そしてほんの少しの硫黄のニュアンスが心地よい余韻として残ります。
総評(評価:★★★★★★〜)
『粋撰 御岳4年 パフォールPB』、一言で言えば**「4年熟成の枠を完全に超越した、極上のシェリー・エクスペリエンス」**でした。
初心者の方にとっては、「ウイスキーってこんなにメープルや黒糖みたいに濃厚で甘美な香りがするんだ!」という感動的な体験になるはず。アルコール度数はカスクストレングスなので高めですが、綺麗な香り立ちと甘みのボリューム感のおかげで、度数を感じさせない飲みやすさがあります。
そしてウイスキー飲みの方なら、この「ほんの少しの硫黄」がもたらすボディの厚みと、マロングラッセや黒糖のようなシェリーの深すぎる余韻に、思わず唸ってしまうのではないでしょうか。短期間でここまで原酒を育て上げる御岳蒸留所のポテンシャルの高さ、そしてこの樽をチョイスしたパフォールPBのセンスには脱帽するしかありません。
もしどこかで見かける機会があれば、何が何でもグラスを傾けてみてください。日本のウイスキーの未来が、この1本に詰まっています。
皆様も、今宵は素敵なウイスキータイムを。
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