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6月, 2018の投稿を表示しています

【カスクフィニッシュのパイオニア】グレンモーレンジ 12年 ラサンタ

(上の画像は ひとくちウイスキー 様のご好意でいただきました) 今回はグレンモーレンジ10年に引き続き、グレンモーレンジ12年ラサンタを素人テイスティングしたいと思います。 グレンモーレンジは、蒸気による間接蒸留や硬水を使用していること。キリンと同じくらい長いスワン型の蒸留器を使用しているなど、いくつかの特徴がありますが……忘れては行けないのがカスクフィニッシュ(バーボン樽等で10年熟成したあとに、違う種類の樽に移して最後に原酒の性質により半年から2年程熟成させる)の先駆者であることです。 今回テイスティングしたシェリー樽で仕上げたラサンタ。 ソーテルヌワイン樽で仕上げたネクタードール。 ポルトガルのポートワインで仕上げたキンタルバン。 等々通常ラインナップだけでも多くの種類があります。 蛇足になるのですが……ふとウイスキー好きならばグレンモーレンジのミズナラフィニッシュを飲んでみたいと夢想した方はいませんか? グレンモーレンジ等の始め、複数の蒸留所を所有するディアジオの現アンダサバーの通称ボブさんの話によると、実はボブさんがグレンモーレンジ蒸留所で働いていたときに、ミズナラ樽を使ってみようしたそうなのですが……某シーバなんちゃらに先を越されたので、立ち消えになったそうですf(^^; 作ってくれないですかねぇ?ミズナラフィニッシュ。 ストレート 香り メープル、ブドウの皮、チョコレート、ドライフルーツ等の甘い香りの中に強くはないものの、硫黄感もあります。 味 ドライフルーツ、モルティな甘味、チョコレート、モーレンジらしいモルティな香ばしさ、ビターチョコ、硫黄の余韻が長く続き、最後にフルーティーな要素も感じられます。 ロック ドライフルーツや硫黄感は弱まり、チョコ感と加水により、どこかミルキーな味を感じられます。 ハイボール 硫黄やドライフルーツも感じられますが、モルティな甘さや、花ぽさ等のオリジナルに近い味を感じやすくなります。 種別シングルモルト 構成原酒バーボン樽で10年シェリー樽で2年 香り★★★★★ 味★★★★★ 総評★★★★★(5) ストレート○ロック○ハイボール○ オススメ度A 美味しいです。

【完璧】グレンモーレンジ オリジナル 10年

(上の画像は ひとくちウイスキー 様のご好意でいただきました) 今回はパーフェクトウイスキーと言われるグレンモーレンジ10年を素人テイスティングです。 かつては「グレン・オブ・トランキティ(静寂の谷)」と名乗っていたそうで、元々は農場にあった密造ビールを作る古い蒸留所。 1843年にバルブレアのウィリアム・マセソンが買い取り、ライセンスも取得したものの……本格的なウイスキー作りは行われず、1880代にはウイスキー研究家のアルフレッド・バーナードから「世界一古ぼけた蒸留所」「遺跡のようなもの」と酷評された記録があるようです。 その後どうにか出資者が現れると建物改築を進め、1887年にスコットランドで初となる蒸気よる間接蒸留を行っています(日本だと宮城峡も蒸気による間接蒸留を行っています) 二十世紀の大半はハイランドクイーンやジェームズ・マーティンズと言ったブレンド向けの原酒供給を行っていましたが、1970代になって、10年もののシングルモルト用原酒熟成に挑戦し、1990代にそれらの原酒を使ったシングルモルトを発売するとスコットランドでベストセラーとなっています。 グレンモーレンジ蒸留所の個性的な所は仕込み水にタローギーの泉から引いた硬水(酒造りの多くが軟水を使用)使うことと、キリンの首ほど長い(ディアジオの広報写真に、キリンとの比較写真ありw)スワン型の蒸留器から生み出されるエレガントでピュアと言われる原酒とジャックダニエルのテネシーウイスキー樽を始めとする厳選した複数の樽の組み合わせが大きいそうです。 ストレート 香り 麦菓子を思い起こさせるモルティな甘い香り、花のようなフローラル、練乳、麦の香ばしさも感じられ、非常にバランスが取れています。 味 花を思わせるフローラル系の香りと、モルティな甘味とアーモンドを思わせるナッティな味わいが広がり、麦の香ばしい余韻が続きます。 ロック 香りのボリュームか、さてまた酒質なのか。それほど香りは感じにくくならず、強いて言えば花のフローラルな香りとモルティさを感じやすくなります。 ハイボール モルティさとナッティな甘味が楽しめる美味しいハイボール。 種別シングルモルト 構成原酒 バーボン樽 香り★★★★★

グレンフィディック18年 スモールバッチ

 (上の画像は ひとくちウイスキー 様のご好意でいただきました) 今回は12年に引き続きグレンフィディックの18年を素人テイスティングです。 12年にて大まかなグレンフィディックの歴史について書いたので、次はその生産性について書きたいと思います。 シングルモルトとしては脅威的な売り上げを叩きだし、市場の需要に答えるため1947年に設備拡大を行ったのですが……その時12基の蒸留器を投入し、現在は計31基。年間生産量純アルコール計算で1400リットルに達する生産を行っているようです。 ディアジオ(グレンモーレンジ等多数蒸留所を所有)が近年国内最大の生産量を誇る蒸留所として、新設したローズアイル(ブレンド用モルト供給が主力事業)をはるかに上回るスコットランドでもトップクラスの生産設備と生産量を誇ります。 日本で言うなら宮城峡蒸留所の蒸留器に比べ四倍(宮城峡は8基)なので、その生産設備の大きさがわかりますねー。 さて、今回飲むグレンフィディック18年は12年と違いオロロソシェリー樽原酒も加わっているのが特徴です。 ストレート 香り 熟した果実を思わせるつんとアルコールの揮発、バニラ、熟してないプラム、リンゴ、奥にタンスを開けたような木の香りも微かに感じられます。 味 シェリー系らしいウッディさ、ドライアプリコット、麦の香ばしさ、マロングラッセを食べた後味、フルーティーさとウッディさが混ざった余韻が中程度続きます。 ロック 甘さは鳴りを潜め、良くいえばウッディ、悪くいえばえぐみが強調されます。 ハイボール フルーティーさがあるものの、全体的にぼやけたハイボールに…… 種別シングルモルト 構成原酒バーボン樽原酒シェリー樽原酒 香り★★★★★ 味★★★★★ 総評★★★★★(5) ストレート○ロック△ハイボール△ オススメ度B 普通に美味しいですが、これを一本買いするかと言うと……5000円越える買い物になるので気になる方は ひとくちウイスキー や、バーで試すことをオススメします(*´ω`*)

【シングルモルトのパイオニア】グレンフィディック12年

 (上の画像は ひとくちウイスキー 様のご好意でいただきました) 今回はグレンフィディック12年を素人テイスティングです。 スーパーなどでも置いているシングルモルトの一つであり、かつては世界で一番飲まれているシングルモルトでした(2014年にグレンリベット首位を明け渡しています)。 その歴史は古く創業者のウィリアム・グランドが16年間勤めたモートラック蒸留所を辞め、退社した1886年まで遡ります。 年収100ポンド+聖歌隊員として受け取る7ポンドで、9人の子供と妻を養いながら節約に努め、資金を募り、同年ついにはグレンフィディック設立しています。 資金を少しで浮かすために家族総出でフィディック川の川床の等を使った建物を建て、近隣のジョニ黒の原酒の一つとして知られるカードゥから譲り受けた蒸留器を使い、グレンフィディック蒸留所で最初のスピリッツが作られたのは翌年の1887年のクリスマスだったそうです。 シングルモルトの原点がグレンリベットであるなら、シングルモルトを初めて大々的に売り出し(グレングランド等も売り出していたもののそれほど売れていなかったそう)成功を納めたグレンフィディックは言うなればシングルモルトのパイオニアと言えるのではないでしょうか(*´ω`*) ストレート 香り 熟してない洋梨、レモン水、バニラ、生クリーム、フルーティーでバニラ系の甘い香りが感じられ、時間経過と共に甘い香り比較的強く出てきます。 味 バニラ系の甘み、洋梨、レモン水等のフルーティーさも感じられ、アルコール感があるものの気にならないレベル。余韻にかけてウッディさが感じられますが、短いです。 ロック アルコール感が多少立つものの、クリーム感が感じやすくなります ハイボール 洋梨の皮、紅茶感等が感じられ、フルーティーなハイボール。 種別シングルモルト 構成原酒 香り★★★★ 味★★★★ 総評★★★★(4) ストレート○ロック△ハイボール△ オススメ度B ウイスキー歴一年になりますが、入門用ウイスキーの一つとして必ず名前が上がるこれを初めて飲みました。 値段帯的に思った以上に悪くなく、洋梨よりもバニラ系の甘い香りが楽しめるウイスキーなのですが……どうにも自分としては微妙な位置のウイスキーとなりましたf(^^;

ザ・ファウンダーズリザーブ 10年

 (上の画像は ひとくちウイスキー さんのご好意でいただきました) 今回はボトラーズのブレンデッドモルトであるザ・ファウンダーリザーブ10年を素人テイスティングです。 かつてディアジオ社で活躍したマイク・コリングス氏が理想のウイスキーを販売するために立ち上げたスペンサー・コリングス社のセカンド・リリース。このザ・ファウンダーズ・リザーブは、リフィルのオロロソ・シェリー・バットに10年間熟成されたアイラ・シングルモルトと、リフィルのオロロソ・シェリー・バットに10年間熟成後マデラの樽に詰め替え約18か月仕上げの熟成をされたシングル・スペイサイド・モルト、そしてセカンド・フィルのバーボンカスクに10年間熟成された北ハイランドのシングルモルトの3つのモルトをブレンド、ノンチル・カスクストレングスでボトリングされたウイスキーだそうです。 ストレート 香り 熟したメロン、マンゴー、レーズン、キャラメル、ミルクキャンディ、クレームブリュレ、ウッディな要素も感じれます。全体的に甘い香り立ちながら、複層的。かつまとまっており、ハイプループながら、アルコール感を感じさせません。加水すると微かに溶剤が出る。 味 メープル、レーズン、シェリー、微かなピート、チョコレート、ミルクキャンディ、焼き菓子、複層的な味わい。様々な要素が変わる変わる味わえ、長く素晴らしい余韻。加水するとシェリー感が強く出ます。 ロック シェリーらしい酸味、チョコレートやレーズンを味わえます。 ハイボール 一言で言うなら塩キャラメルポップコーン。美味しいです。 種別ブレンデッドモルト 構成原酒 アイラ、スペイサイド、北ハイランドの三種のモルト原酒 香り★★★★★★★ 味★★★★★★ 総評★★★★★★ー★(6ー7) ストレート○ロック○ハイボール○ オススメ度S 思わず飲んだ瞬間笑ってしまうほどの美味しいスイート系ウイスキー。シェリー樽系の甘口ウイスキー好きなら絶対に飲んでみて欲しいです。 コスパは非常に高いと思います。と言うかこれは買えるのならボトル買いしたいですね。国内在庫はほぼないようですが……気になる方はボトラーズに強いバーか、 ひとくちウイスキー さんで是非どうぞ!

ロイヤルロッホナガー12年

            (上の画像は ひとくちウイスキー 様のご好意でいただきました) 今回はロイヤル・ロッホナガー12年を素人テイスティングです。 ディーン川沿いに立つロイヤルロッホナガー蒸留所は、1845年にジョン・ベックが創業。 かつて対岸にあったロッホナガー蒸留所(1829年の大洪水で流されたそう)と区別するためにニューロッホナガーと名乗っていたそうですが、創業から間もない1848年に同地域に程近いバルモラル城へ避暑に訪れていたヴィクトリア女王とアルバート公を、創業者のジョン・ベックが招待し、同年末にロイヤルの名を冠することを認められたようです。 事業は順調で「VAT69」やジョニー黒、青等に原酒の供給を行っていますが、1916年にジョン・ディワー&サンズに買収。現在はディアジオの傘下となり、多額の出資を受け、事業のテコ入れも行われているそうです。 またスコットランドでも五指に入る小さな蒸留所で、生産量は少ないながら、伝統的なマッシュタンや宮城峡等と同じ蒸気による間接蒸留を行っています。 それと面白いのが貯蔵庫がないのか調べても分からなかったのですが、熟成はスペイサイドのグレンロッシーで行われているようです。 ストレート 香り ガム、ペットボトルの甘い紅茶等を思わせる人口的な甘い香り、青いプラム、梅、ハッカ、ミント、香草のフェンネルを思わせる香りもあり、複層的。 味 青い梅、ハーブ、麦の香ばしさ、ピートの余韻が続いたあとに梅干しを食べた後のような後味が残ります。 ロック 人工的な甘さとハーブの香り、フルーティーさと柔らかいピートが楽しめます。 ハイボール 甘さとハーブのような爽やかさを感じられるハイボール。 種別シングルモルト 構成原酒 軽いピーテッド原酒、アメリカンオーク樽を主体にヨーロピアンオーク樽も使用 香り★★★★★ 味★★★★ 総評★★★★~★(4ー5) ストレート○ロック○ハイボール○ オススメ度B ウイスキー好きの間では評価が良く。バランスも良く、飲み方を選ばない良いウイスキーなのですが……f(^^; 自分の好みではありませんでした。嗜好品なので仕方ありません。どうやら僕は人工的な甘い香りが少し苦手

ハイランドパーク18年

今回は大阪遠征の際に、某量り売り店で購入したハイランドパーク18年を素人テイスティングです。 ハイランドパーク18年といえば、かつて一万円で買えるオススメウイスキーで必ず名前が上がった銘酒です。今では実売価格13000円程に上がりましたが、それでも評価は高いですね。 ハイランドパーク12年で主な成り立ちついて等は書きましたので、こちらでは蒸留所の特徴を書きたいと思います。 1 硬水を使用 ウイスキー問わず多くの酒造りでは軟水が使われるのですが、ハイランドパークでは珍しく硬水を使用しているそうです。まだ勉強不足であれなのですが、栄養(ミネラル分)豊富な硬水を使うと酵母が活発に働くため、フルーティーな原酒が産み出されるようです。 有名どころではグレンモーレンジ等も硬水を使っているようです。 2 オークニーのピート 常に強い風が吹き、樹木がそれほど育たないオークニー諸島ではヘザーという低木が数千年をかけ、他の地域とは違う化石燃料である泥炭(ピート)になるようで、ハイランドパークの特徴であるヘザーハニー(煙さと蜂蜜)を生み出しています。 3 フロアモルティング オークニーのピートを焚いた製造に使う約20%のモルトを大麦を発芽させ、それを止めて、乾燥させるフロアモルティングを行っています。かなりの重労働で繊細さも求められるため、スコットランドでもハイランドパーク含め両手で数えられる程(ボウモアやスプリングバンク等)しか行っていません。 ストレート 香り メープル、熟しかけのプラム、焼きたての食パンのような甘い香りと香ばしさ、極微かに溶剤の香りも感じますが気にならないレベル。12年に感じたスモーキーな要素も多少は感じるものの、強くは感じません。 味 メープル、焼きたてのパンような甘さと麦芽の香ばしさ、それほど主張の強くない上品なスモーキーさが抜けて、コーヒ豆チョコのような風味とともに緩やかな余韻を与えてくれます。 ロック プラムのようなフルーティーで甘い香りと、焼きたての食パンのような香ばしさ、スモーキーな香り。 ハイボール 普通に美味しいですが、良さが消えるようです。もったいない。 種別 シングルモルト 構成原酒シェリー樽原酒等

【最北端】ハイランドパーク12年

(上の写真は ひとくちウイスキー 様のご好意で提供していただいたものです) 今回はハイランドパーク12年を素人テイスティングしようと思います。 ハイランドパーク蒸留所は大小70の島からなるオークニー諸島。その州都であるカークウォールにあります。その歴史は古く、今から約220年前の1798年に建てられ、スコットランドで最北の蒸留所になります。 オークニー諸島は新石器時代の遺跡が今でも残っており、ユネスコの世界遺産登録もされ、なおかつハイランドパーク蒸留所は見所が多く、年間三万人が見学に訪れる蒸留所なので行くのはかなり大変そうですが個人的に一度は訪れたい蒸留所のひとつです。 話が脱線しましたf(^^; ハイランドパークのルーツを辿ると聖職者にして、闇の蒸留人、悪名高き、闇のヒーロー等々中二心を刺激するマグナス・ユンソンの話は外せないですが……そこはダークオリジンズを飲んだときに書きたいと思います。 新石器時代の名残と数世紀に渡りヴァイキングに統治された影響を色濃く残すオークニーで、伝統を守り続けスコットランドでも十指に入る程の古い歴史を持つハイランドパーク蒸留所は、最北端の島という立地条件ならではの大手ブレンダーへの供給の難しさや、所有者の交代(1826年にボースイック・ファミリー。1895年にジェームス・グランドとグレンリベットに1937年には取り戻しています)乗り越え、今も実直に誠実に本物のウイスキーを作り続けています。 ストレート 香り 軽めのスモーク、モルティな香ばしさと甘味、熟していないプラム、革ぽい微かな硫黄、若干アルコール感も感じられます。 味 最初にプラムのような酸味、スモーキーさ、トーストした食パンの耳のようなモルティな香ばしさと甘味が感じられ、スモーキーさとモルティな香ばしさが中程度の余韻として残ります。 ロック 若干フルーティーな要素を感じやすくなり、革のような微かな硫黄、モルティ香ばしさとスモーク。 ハイボール スモークさとモルティ香ばしさが楽しめるハイボール。 種別シングルモルト 構成原酒 バーボン樽原酒とシェリー樽原酒 香り★★★★★ 味★★★★★ 総評★★★★★(5) ストレート○ロック○ハイボール○ オススメ度A 煙